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耳の疾患(外耳炎・中耳炎・耳鳴り・難聴めまいなど)

耳耳鳴りやめまい、耳に異物感や痛みを感じたり、耳の聞こえが悪い(難聴)といった症状が現れます。疾患によっては発熱を伴うこともあります。

おもな症状

耳が痛い、耳がかゆい、耳鳴りがする、めまいがある、聞こえにくい、耳だれが出る、耳から出血がある、黒い耳垢がでる、など。

耳の主な病気

外耳炎

外耳炎とは、耳の中の皮膚の部分(外耳道)が主に細菌感染によって腫れたり、赤くなる病気です。多くの場合、耳かき等で外耳道に傷をつけることで発生します。痛み、かゆみ、耳だれ、耳のつまった感じ、耳鳴り、聞こえにくい感じといった症状が現れます。

治療としては、外耳道の消毒や抗生物質(細菌を殺す薬)を使います。軟膏を塗ったり液状の薬(点耳液)を耳の中に垂らしたりします。ひどいときには、飲み薬の抗生物質を追加する必要があります。

原因として多いのは頻回の耳そうじです。耳そうじが好きな方も多いのですが、実はそうじをしているつもりで耳の皮膚を傷つけ、外耳炎の原因になっている事があります。

さらに、耳の傷が治る過程においては、かゆみを感じる事が多いのです。このとき、かゆみのために耳の中をさわってしまうと、また傷ができてなかなか治りません。

この悪循環にはまるとなかなか外耳炎が完治しなくなります。

お風呂やプールで耳に水が入っても放っておけば水は蒸発しますので、そうじはできるだけ回数を抑えるようにしましょう。

ただ、どの程度の回数が良いのかについては、年齢や耳あかの状態によって異なります。また、お子さんの場合、成長するにつれて適度な回数が変わる事が多いです。

ぜひ、受診の上でご相談下さい。

中耳炎

中耳炎とは、鼓膜の奥の中耳腔と呼ばれる空間で主に細菌が増殖して起こる病気です。
中耳腔は鼻の奥とつながっているので、鼻水が出ていると、鼻水の中の菌が中耳腔に及んで中耳炎を起こしやすくなります。5才くらいまでのお子さんに多く見られますが、成人した方にも時々発生しています。

主な中耳炎は3種類あります。

急性中耳炎

鼻水の量が多いと、鼻の奥から中耳腔に鼻水の中の菌が達して鼓膜に炎症を起こします。中耳腔に膿がたまり、鼓膜を圧迫すると痛みが発生します。特に3才以下のお子さんがかかりやすいと言われています。痛みを言葉で伝えられない小さなお子さんは、夜泣きがいつもよりひどい、なかなか寝ようとしない、機嫌が悪いといった状態が急性中耳炎のサインとなります。

滲中性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)

中耳腔に液体がたまるタイプの中耳炎です。プールで耳に水が入ったような感覚を起こし、聞こえが悪くなる事もあります。中耳腔にたまるのは膿ではなく、急性中耳炎と違って鼓膜を圧迫しないので痛みはありません。急性中耳炎と同様に、鼻水の量が多いなど中耳腔の換気が悪くなっているケースが多いです。急性中耳炎の前後にも多く見られます。しかし、アデノイドと呼ばれる扁桃腺が大きい場合は、鼻水が出ていなくても換気を阻害して発生する事もあります。

慢性中耳炎

急性中耳炎が治りきらずに耳だれをくり返し、鼓膜に穴が開いた状態が続くタイプの中耳炎です。穴が大きいと難聴を生じます。耳だれを頻繁にくり返したり、難聴がひどく生活に支障をきたす場合は、穴をふさぐ手術の適応になる事があります。

中耳炎の治療

中耳炎を治すためには、鼻水や鼻つまりを減らし、中耳腔とつながっている鼻の状態をきれいに保って換気を良くする事が重要です。特に自分で鼻がかめない小さなお子さんは、耳と鼻の中を同時にきれいに保たないとなかなか中耳炎が治りません。そのためには、鼻水の吸引に通院していただいたり、鼻水を減らすための薬を使用したりします。特に急性中耳炎の場合は、細菌の増殖度合いにより抗生物質を使う事もあります。鼻水が多いと中耳炎になるリスクが上がりますので、鼻水が増えてきたと思ったら、早めの耳鼻咽喉科受診が大切です。

難聴

一口に難聴と言っても、耳あかが詰まって起こるものから、中耳炎によるもの、さらには聞こえの神経の不調によって起こるものなどがあり、原因は様々です。

聞こえの神経の不調には、突発性難聴やメニエール病などめまいを伴う可能性のある疾患の他に、年齢によるものなどがあります。

特に急に聞こえにくくなった場合は早めに治療をしないと聞こえが戻らない可能性があり、注意が必要になります。

また、メニエール病のようにめまいや耳鳴りを一緒に起こす可能性のある難聴は、めまいを繰り返すと聞こえがだんだん悪くなっていく事があります。治療は原因によって様々ですので、まずは聞こえが悪くなった原因をきちんと見つける事が大切です。

そのためには、まず耳の中の所見を確認し、次に聴力検査を行います。特に聞こえの神経の不調による難聴では、聞こえの低下が高度の場合、入院治療が必要になるケースがあります。最近になって聞こえにくくなったと思っている方は、早めに耳鼻咽喉科で聴力検査を受けることをお勧めします。

突発性難聴

突発性難聴とは、突然聞こえが悪くなる病気です。耳の奥に内耳と呼ばれる部分がありますが、ここにある聞こえの中枢部分の不調によって起こります。しかし、はっきりした原因はまだよくわかっていません。

なるべく早く治療を開始した方が聞こえが回復する可能性が高いと言われています。

治療は基本的に内服です。聞こえの程度により、ステロイド剤という強めの薬を用いる事があります。

聞こえの回復がゆっくりであったり、発症当初から難聴の程度が高度の場合、飲み薬ではなく点滴や注射による治療をお勧めする事があります。

もし同じような難聴をくり返しているのであれば、メニエール病の可能性があり、治療の方針が変わってきます。

一般に軽症の方の方が回復率は高いですが、重症の方でも元通りに回復する事はもちろんあります。また、元に戻らないまでも発症当初より改善が認められるケースはたくさんあります。検査や通院をしていただきながら、治療方法を模索していく事が大事になります。

低音障害型難聴

低音障害型難聴とは突然、低い音の聞こえが悪くなる病気です。突発性難聴と同じく、耳の奥の内耳の不調で起こります。原因はまだよくわかっていません。

聞こえにくさと同時に、耳鳴りや耳のふさがった感覚も併発することがあります。

治療は内服が中心です。

聞こえの回復がゆっくりであったり、初めから難聴の程度が高度の場合、飲み薬でなく注射による治療を受けた方が良い場合もあります。

また、時にはメニエール病の一種である事もあります。その場合は内耳のむくみが悪化の要因と考えられるので、利尿剤の一種を用いる事もあります。

くり返しこの難聴をおこすようなら、メニエール病の可能性を考えた方が良いです。

低音障害型難聴は、突発性難聴と違って低い音域の難聴だけが見られる事が特徴ですが、突発性難聴より回復しやすい傾向があるとの報告もあります。

めまいについて

めまいは耳の奥にある三半規管という器官の不調で起こる事が多いとされています。三半規管はバランス感覚の中枢です。

しかし、中には「脳の病気」が原因である事があるため注意が必要です。

ひどい頭痛、ろれつが回らない、手や足がしびれたり動かしにくいといった症状がある場合、脳の病気が原因である可能性が高くなります。

こういった症状があれば、脳を調べるCTやMRIといった画像検査の必要性が生じてくるので、すぐに総合病院を受診することをお勧めします。

三半規管の不調によるめまいであれば、自然に回復していくケースも多く見られます。良性発作性頭

位眩暈症はその代表的な疾患ですが、中には前庭神経炎といっためまいが長引く疾患もあります。
また、めまいに加えて難聴や耳鳴りがあるようなら、突発性難聴やメニエール病といった病気の可能性も出てきます。

もし耳鼻科で治療を受けたものの改善が見られなかったり悪化するようであれば、全身状態の確認が必要な場合があります。そのようなときは内科受診をお勧めします。

メニエール病

メニエール病とは、めまいと一緒に難聴・耳鳴り・耳のつまった感覚といった症状をくり返す病気です。耳の奥の内耳にリンパ液が貯まり、むくみが起こる事で発症するとされています。

この疾患で気を付けなければならない事は、症状をくり返しているうちに難聴がひどくなっていく可能性があるという点です。

また、メニエール病は一般にはめまいの病気というイメージが強いですが、実際にはめまいは伴わず聞こえの症状だけをくり返す例もよく見られます。

治療のメインは利尿剤の一種を内服して内耳のむくみを改善する事です。難聴の程度によっては、ステロイド剤を使う事もあります。疲れやストレス、気圧の変化がきっかけとなってめまいや難聴が出現する事が多いとされています。

症状が出現したら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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